抜歯後の白い穴は危険?ドライソケットを見た目と激痛で見分ける真相

抜歯後の白い穴は危険?ドライソケットを見た目と激痛で見分ける真相

抜歯後の白い穴は危険?ドライソケットを見た目と激痛で見分ける真相の基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点でまとめました。

「ロキソニンを飲んでもまったく効かない」「痛すぎて仕事も手につかない」――ドライソケットを発症した患者が例外なく訴えるのが、市販鎮痛薬の無力さです。なぜ一般的な消炎鎮痛薬が歯止めをかけられないほどの激痛が走るのでしょうか。

抜歯直後、骨に空いた深孔には血液が溜まり、ゼリー状の血餅が形成されます。この血餅は、血管新生を促す肉芽組織の形成プロセスの足場となるだけでなく、外気や唾液、無数の口腔内常在菌から剥き出しの神経と骨を守る「天然の生体絆創膏」としての役割を果たしています。

ところが、過度な強いうがい、舌での接触、陰圧をかけるストローの使用、あるいは喫煙による毛細血管収縮などが引き金となり、この血餅が剥がれ落ちてしまうことがあります。これこそが血餅が取れた激痛のサインの引き金です。骨の内側には痛覚を司る神経終末が無数に張り巡らされており、血餅を失った骨面は、冷気や唾液、食べカスに直接晒されます。骨の表面に直接塩を塗り込まれているような状態であり、骨膜と骨髄腔が直接細菌感染に晒されるため、抹消の炎症を抑えるプロスタグランジン阻害薬(ロキソニンなど)では遮断しきれないほど強烈な神経興奮が生じるのです。これが、ロキソニンが効かない理由の病態生理学的背景です。

田中 結衣
著者

田中 結衣

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。