一見すると朝露に濡れているかのように見える表面の輝き。あれは水分ではない。過剰な塩分を隔離して溜め込んだ「表皮水胞」と呼ばれる特殊な細胞組織だ。学名をMesembryanthemum crystallinumと呼ぶこの植物は、南アフリカのナミブ砂漠など極度の乾燥地帯を原産とする。
塩分の多い過酷な土壌で生き残るため、根から吸収した塩分を葉の表面にある専用の細胞へ押し出す生存戦略を獲得した。この細胞が太陽光を反射してキラキラと輝くことから、英語圏では「アイスプラント」、日本では「クリスタルリーフ」などの名称でも親しまれてきた。夜間に二酸化炭素を吸収するCAM型光合成を行うため、水分の蒸散を劇的に抑えられる点も、乾燥化が進む地球環境において極めて優位な特質である。