顎変形症に悩む人々が抱える苦痛は、決して外見の悩みだけにとどまらない。受け口(下顎前突)や顔の歪み、あるいはガミースマイルといった見た目の特徴は、幼少期からのコンプレックスになりやすい。しかしそれ以上に切実なのが、日常生活における「機能的な障害」だ。
前歯で食べ物を噛み切ることができない、奥歯の一部分しか当たらないために咀嚼能力が著しく低下する、滑舌が悪くなり特定の音を発音しづらいといった症状が頻出する。さらに、顎関節症による激しい痛みや、就寝時の気道狭窄による睡眠時無呼吸症候群、肩こりや頭痛といった全身症状に繋がるケースも少なくない。芸能人のような話すこと・見られることを職業とする人々にとって、これらの障害はキャリアそのものを脅かす深刻な問題なのである。