『シティーハンター』の作中において、このミニクーパーはただの乗り物ではない。銃撃を受け、爆破され、時には高所から転落して大破する。それでも次のエピソードやシーンになれば、何事もなかったかのようにピカピカの状態で復活を遂げる。
印象深いのは、そのナンバープレート。「歌舞伎町 69 あ 37-10(みなと)」や「新宿 33」など、作中やアニメ版の時期によって表記に微細な変化はあるものの、ファンにとっては一目でそれと分かるシグネチャーだ。「37-10」は語呂合わせで「みなみ」や「みなと」とも読めるが、作画スタッフや原作の北条司先生による遊び心が詰まったディテールとして、語り草になっている。
どれほど壊されてもパートナーの槇村香や獠の手で修理され、再び街へと繰り出す。その繰り返しが、視聴者の心に「壊れても蘇る絆の象徴」として深く刻み込まれていった。