「リスクが怖いから」と、自分の判断で今日から服用を完全にストップすることは極めて危険だ。胃酸を長期間抑え込まれた胃壁細胞は、投与を突如中断すると「リバウンド(酸反跳現象)」を起こし、以前をはるかに上回る大量の胃酸を一気に噴出させる。結果として耐え難い胸焼けが再燃し、恐怖から再び服薬へと戻ってしまう悪循環に陥る。
日本消化器病学会のガイドラインや専門医が推奨する減薬プロトコルは、極めて段階的だ。まずは高用量から維持量への減量、次に隔日投与、あるいは症状が出た時のみ頓用する「オンデマンド療法」への移行を数週間かけて試みる。必要に応じて、より作用が穏やかなH2受容体拮抗薬や制酸薬への置き換えをステップとして挟む手法も一般的だ。
就寝前の食事を控える、枕を高くして左を下にして眠る、腹圧をかける前かがみの姿勢を改めるといった生活環境の改善も、薬からの脱却を強力に後押しする。胃の不調が長引き、何ヶ月も同じ胃薬を飲み続けているならば、自己判断で中断するのではなく、かかりつけ医に「この薬を少しずつ減らしていく計画を立てたい」と率直に相談してみてほしい。自らの体を守る第一歩は、処方箋の意図を正しく問い直すことから始まる。 (出典: プロトン ポンプ 阻害 薬(Yahoo!ニュース))
詳細を見る