日本国内で数あるバレエ公演の中でも、新国立劇場バレエ団の主催公演は群を抜いたチケット争奪戦が繰り広げられます。その根底にあるのは、古典名作から現代振付家の意欲作までを圧倒的な精度で上演する「カンパニー全体の総合力」です。
転換点となったのは、2020年9月の吉田都 芸術監督 経歴と評価に象徴される劇的な体制刷新でした。英国ロイヤル・バレエ団の頂点を極めた彼女が持ち込んだのは、ミリ単位の足先・指先の角度にこだわる緻密な指導と、舞台裏でダンサーを支えるプロフェッショナルな環境整備です。関係者への取材によると、リハーサル室では舞台上の全ダンサーが同じ視線、同じ呼吸で動くための徹底的なディテールワークが日々重ねられています。
その結果、主役陣の華やかさはもちろんのこと、一糸乱れぬコール・ド・バレエの美しさが海外の批評筋からも「英国ロイヤルやパリ・オペラ座に匹敵する規律と美意識」と絶賛されるに至りました。観る者を一瞬で非日常へと誘う舞台装置・照明、専属オーケストラ(東京フィルハーモニー交響楽団など)の生演奏が織りなす空間体験は、一度味わうとリピーターにならざるを得ない魔力を持っています。