有村藍里の歩んできた道は、決して平坦なものではありませんでした。16歳で芸能活動をスタートさせた当初は、「新井ゆうこ」という名義で大阪を拠点にグラビアや撮影会モデルとして活動。地道にステップアップを図っていた最中の2015年、週刊誌の報道によって「NHK連続テレビ小説などで社会現象を巻き起こしていたトップ女優・有村架純の実姉である」という事実が公に晒されることになります。
本人の意志とは無関係なタイミングで貼られた「大物女優の姉」というレッテルは、過酷なバッシングの引き金となりました。匿名掲示板やSNS上には、妹と顔立ちを執拗に比較する書き込みが溢れ返り、「妹に似ていない」「口元が残念」「漫画のキャラクターに似ている」といった容姿を嘲笑する残酷な言葉が浴びせられたのです。
後に自著やドキュメンタリー番組のインタビューで、彼女は当時の心境をこう振り返っています。街を歩くだけで「通行人全員が自分の口元を見て笑っているのではないか」という被害妄想に苛まれ、外出時はマスクを手放せず、会話の最中も無意識に手で口を覆うようになっていたといいます。妹の成功を心から誇らしく思う半面、社会から向けられる比較の刃は、彼女の自尊心を容赦なく削り取っていきました。