アメリカで買い付けのノウハウやデザインを肌で学んだ若槻千夏は、2009年に自身がプロデュースするアパレルブランド「w♡c(ダブルシー)」を立ち上げます。タレントの片手間のビジネスという冷ややかな前評判を、彼女は自らの熱量と類まれなビジネスセンスで覆しました。
旗艦店となった渋谷109のオープン当日には、彼女の復帰と新ブランドを待ち望んでいた若者たちが数千人規模の長蛇の列を作り、入館規制が敷かれるほどの社会現象を巻き起こします。自身がデザインしたオリジナルキャラクター「クマタン」は、愛らしいフォルムと独特の世界観でティーンから圧倒的な支持を獲得。アパレル製品に留まらず、文房具や雑貨、さらには海外展開まで果たすメガヒットコンテンツへと成長を遂げました。
ブランドは瞬く間に数十億円規模の年商を叩き出しましたが、若槻千夏はデザインや品質管理、PRに至るまで一切の妥協を許しませんでした。後に経営方針の相違から同ブランドのプロデューサーを退任することになりますが、その経験を糧に自身の新会社を設立。現在もライフスタイルブランド「WCJ」などを手がけ、息の長いビジネスを展開しています。彼女は「元グラビアタレント」という肩書を自力で脱ぎ捨て、真のクリエイティブディレクターとしての地位を確立したのです。