この作品が今なお語り継がれる最大の理由は、登場人物たちが纏っていた「嘘のない空気感」にある。当時の加藤ローサは、CMや雑誌で一気にブレイクを果たした直後であり、その圧倒的な笑顔と目力の強さが大衆を魅了していた。
一方の玉木宏も『ウォーターボーイズ』や『のだめカンタービレ』といった話題作で確固たる評価を得ていた時期だ。脂の乗ったふたりが演技の上で交差したとき、意図的な演出を超えた本物の「青春の甘みと苦み」が生まれた。
大学の講義室、静かな森の撮影スポット、日常のふとした会話。二人のやり取りには、計算された演技を超えたナチュラルな呼吸が存在していた。観客は彼らの視線の行き交いの中に、自分自身の甘酸っぱい記憶を投影せずにはいられなかったのだ。