この作品を傑作足らしめている絶対的な柱、それがチ・ソンとオム・ギジュンによる圧倒的な演技合戦だ。
主人公パク・ジョンウを演じたチ・ソンは、死刑囚の過酷な心理状態を体現するため過度な減量を敢行。頬はこけ、目は血走り、正気と狂気の境界線を彷徨う姿は観る者の胸を抉る。失った記憶に怯えながらも、娘への愛と正義の執念だけで立ち上がる父親の姿を泥臭く熱演した。
対するオム・ギジュンの悪役ぶりは、韓国ドラマ史に残るレベルで際立っている。財閥「チャミョングループ」の御曹司である双子の兄チャ・ソノと、凶悪な狂気を秘めた弟チャ・ミノの一人二役を完璧に演じ分けた。兄を殺害して成り代わり、己の保身のためなら平然と人を手に掛けるミノ。チ・ソン演じる検事と、オム・ギジュン演じる絶対悪。二人が刑務所や取調室で視線を交錯させるシーンの緊張感は、画面越しに空気が凍りつくほどだ。