高校野球の審判員はプロ野球の審判とは決定的に異なる。彼らは職業としてではなく、教育的価値とボランティア精神に基づき無報酬で球場に立ってきた。しかし、「完全な無償奉仕」という理解は正確ではない。大会期間中には日当や交通費、宿泊費といった実費補填名目の支給手当が存在する。
主催である日本高校野球連盟や朝日新聞社は、猛暑対策や審判員の健康管理、ならびに遠方からの派遣に伴う経済的負担を考慮し、運用の見直しを進めてきた。2026年における最新の制度改定では、酷暑下での複数審判体制(交代枠の拡充)や、手当の支給基準の適正化が図られている。無報酬という伝統の美学を守りつつも、現場を支える社会人の生活や健康を守るための現実的アプローチが今、急速に進んでいるのだ。