『セブン』や『ファイト・クラブ』でサスペンス・スリラーの頂点を極めたデヴィッド・フィンチャー。彼が長年温めてきた構想を具現化するパートナーとして選んだのが、キアヌ・リーブスだ。無骨ながらも哀愁を帯びたキアヌの演技と、画面の隅々にまで冷徹な美学を敷き詰めるフィンチャーの映像美。この異色のタッグが結実した本作は、単なるSFドラマの枠組みを遥かに超えている。
撮影現場のスタッフは「フィンチャー監督は1つのシーンにつき50テイク以上を重ねる妥協なき姿勢を見せたが、キアヌはそれに完璧に応え続けた」と証言する。緊迫したカメラワークの中で捉えられる主人公の表情は、究極の二択に追い詰められた人間の孤独と狂気をリアルに捉え切っている。