否定派が真っ先に挙げるのが、その手触りと質感だ。このシリーズで採用されている「BIOCERAMIC MoonSwatch」は、植物由来プラスチックとセラミックを配合した独自のハイブリッド素材を使用している。環境配慮や軽量化という観点では極めて優れた技術だ。だが、ステンレススチールのずっしりとした重厚感に慣れ親しんだ層から見れば、「どうしてもプラスチックのおもちゃに見えてしまう」という不満に直結してしまう。特に、本家の「スピードマスター プロフェッショナル」が持つ歴史的重量感を知るコレクターほど、手に取った瞬間の軽さに戸惑いを隠せない。
さらに、純正のベルクロストラップ(面ファスナー式ベルト)も評価を分ける要因だ。スポーティで扱いやすい反面、スーツやフォーマルなジャケットに合わせるとチープさが際立ってしまう。高級感とカジュアルさの境界線をどこに引くかによって、個人の印象が劇的に変わるプロダクトなのだ。