スタジオでの張り詰めた緊張感から解放されたとき、大越氏が見せる素顔は非常に穏やかだ。家庭内での彼は、テレビで見せる厳格なジャーナリストの顔とは一味違う、ユーモアに満ちた夫であり父親である。
『報道ステーション』の生放送を終えて深夜に帰宅した際も、妻は静かに温かいお茶や夜食を用意して彼を迎える。ニュースの現場で対峙した重い現実や葛藤を直接家庭に持ち込むことは少ないが、ふとした瞬間に漏らす本音や弱音を、妻はただ静かに受け止め、耳を傾ける。長年積み重ねられたこの無言の信頼関係こそが、彼が毎晩カメラの前に立ち続けるための最大のエネルギー源なのだ。