この地の歴史を語る上で欠かせないのが、近代日本の運命を大きく変えた海軍大将・東郷平八郎の存在だ。明治時代、世界を驚愕させた日本海海戦において指揮を執り、国の危機を救った英傑として知られる。司馬遼太郎の名作『坂の上の雲』でもその決断と苦悩がドラマチックに描かれ、今なお多くの人々の心を捉えて離さない。
東郷の功績と精神を顕彰するために建てられた施設群は、現在も貴重な歴史的建造物としてその姿をとどめている。重厚な木造建築の柱や細部の意匠には、当時の職人技が息づく。重々しい扉を開けば、明治・大正・昭和を駆け抜けた日本の歴史の息吹が肌を通して伝わってくるかのようだ。