二人の足跡を辿ると、日本のメディア環境がどのように変化してきたかがよく分かる。2010年代半ばまで、スキャンダルを起こしたタレントの運命はテレビ局や大手事務所の意向に完全に握られていた。会見を開き、謝罪し、一定期間の自粛を経てひっそりと復帰する——それが決まったレールだった。
しかし、狩野と加藤が示したのは「個人の発信基盤を持てば、世間とダイレクトにつながり直すことができる」という新しいリアルだ。視聴者はテレビ局がフィルターをかけた映像ではなく、本人が直接生配信で語る言葉や、飾らないプレイ動画に親近感を覚えるようになった。メディアの境界線が消え去ったことで、かつて「致命的」とされたスキャンダルは、個性を引き立てるドキュメンタリーの背景へと姿を変えたのだ。