静寂の中で放たれた涙と、澄み渡る眼差し。広瀬すずがCMで見せた演技力は、当時のクリエイター陣や視聴者に絶大なインパクトを与えた。言葉のいらないセリフ回しと圧倒的な透明感は、短時間の映像表現でありながら一本の映画を観たかのような余韻を残した。
このCMでの鮮烈な印象は、直後に公開された是枝裕和監督の映画『海街diary』での大抜擢へと直結していく。瑞々しい感性をスクリーンで爆発させ、日本アカデミー賞をはじめ数々の賞を総なめにした彼女の飛躍は、CM出演が女優のキャリアにおいてどれほど決定的な転換点となり得るかを証明する象徴的な出来事となった。