北島ファミリーの歴史を語る上で、絶対に外せない存在が山本譲二だ。1970年代、まだ芽が出なかった若き日の山本を北島が付き人として手元に置き、厳しくも温かく育て上げたことは有名である。
付き人時代の山本は、掃除、洗濯、車の運転から身の回りの世話まで完璧にこなした。師匠の歌唱を間近で聴き、客席を熱狂させる姿を全身で吸収する日々。1980年、背水の陣で挑んだ『みちのくひとり旅』が大ヒットを記録した瞬間、北島は実の息子が成功したかのように涙を流して喜んだという。この師弟の姿こそが、のちに続く北島組の原点となった。