トマト缶を使った無水調理で直面しやすいのが「トマトの酸味が強すぎてカレーらしさが薄れる」という悩みだ。この課題を解決するため、プロのシェフや研究者はさまざまなアプローチを考案している。
トマト製品のトップメーカーであるカゴメ株式会社の研究データによれば、トマトに含まれるグルタミン酸は加熱によって旨味が突出する一方で、生の酸味が際立つことがある。これをまろやかなコクに変える秘伝の隠し味が「バター」と「ウスターソース」、そして「無糖の練り胡麻」だ。仕上がりにバター15gとウスターソース大さじ1を加えるだけで、角の立った酸味がまろやかな深みへと変貌する。
ネット上で圧倒的な支持を誇る料理研究家のリュウジ氏も、自身のレシピ動画で隠し味の重要性を度々説いている。同氏のアプローチのように、隠し味として少量の白だしやめんつゆを隠し味として効かせる手法は、和風の旨味成分とトマトのグルタミン酸が相乗効果を起こすテクニックとして絶大な人気を集めている。
さらにプロの味に近づけるなら、スパイスの「二段階投入」を試したい。調理の最初にホールクミンを油で炒めて香りを立たせ、仕上げ直前にガラムマサラを振りかける。これだけで、一晩寝かせた高級ホテル級の香りと奥行きが生まれる。