旅の終着点として向かったのは、北海道で暮らす叔母・法子(のりこ)の家でした。法子は、悟の両親が事故で急逝した際、幼い悟を引き取って育ててくれた唯一の身寄りです。しかし、北海道にたどり着いた時点で悟の病状は急速に悪化し、そのまま入院を余儀なくされます。
ここで物語は、涙なしには追えないクライマックスへと突入します。友人たちのもとを巡る旅の間、ナナはわざと新しい飼い主候補に懐かなかったり、威嚇したりして、引き取られることを拒み続けていました。野良猫時代から高い知性と誇りを持っていたナナは、悟の体の異変や、旅の真の意味を最初から敏感に察知していたのです。
「僕は悟の猫だ。他の誰の猫にもならない」——ナナが下した決断は、新しい安住の地を得ることではなく、悟の最期を看取る相棒として寄り添い続けることでした。
悟の入院中、ナナは法子と共に毎日病室へ通い、悟の枕元で静かに寄り添います。そして最期の瞬間、悟はナナの温もりに包まれながら、感謝の言葉を遺して静かに息を引き取りました。悟の死因は進行性の悪性腫瘍(癌)による病死でした。
悟の死後、ナナは法子と共に暮らしながら天寿を全うします。物語のラスト、ナナが旅立つ瞬間に放つ「またいつか、あの世の草原で悟に会える。そのとき胸を張って言おう、僕は悟の猫だったと」というモノローグは、読者・視聴者の涙腺を完全に崩壊させる決定打となっています。