インターネット上の掲示板やSNSでは、時折「ただ芸人が街をぶらついて適当に愚痴を言っているだけではないか」という浅薄な批判や誤解が見受けられます。しかし、これは番組の本質的な演出設計を見誤った見解と言わざるを得ません。
実際には、ディレクターをはじめとする制作スタッフと千鳥のあいだには、10年以上に及ぶ過酷なロケで培われた「阿吽の呼吸」が存在します。スタッフ側は千鳥のリアクションを最大化するためにあえて情報を伏せ、過剰な演出を排した「余白のある台本」を用意。千鳥はそれを受け、漫才師特有の卓越した空間把握能力とワードセンスを駆使して、何気ない一般人との対話やチープな施設を最高峰のエンターテインメントに仕立て上げています。
「手抜きに見えるほどの自然体」をプロフェッショナルの技術として成立させている点こそがこの番組の核心であり、計算され尽くした無軌道ロケという高度な職人芸がそこには存在します。