体験者の多くが共通して口にするのが、食事に対する極度の恐怖心だ。本来、人間にとって最大の娯楽の一つであるはずの「食べる行為」が、いつしか激痛を誘発する拷問へと変貌する。
「おかゆしか受け付けなくなり、体重は半年で8キロ落ちました。友人に外食に誘われても『また途中で吐き気に襲われたらどうしよう』と断るしかなく、人間関係も狭まっていった」と語る女性の告白は痛切だ。油分や炭酸、カフェインはもちろん、冷たい水一杯ですら胃が硬直する感覚に襲われる。
栄養不足と不安が交錯し、体重減少と筋力低下が進む中で、精神的にも追い詰められていく悪循環。これこそがFD患者が辿る典型的な「食の負のループ」である。