「満室続きで儲かっているはずなのに、なぜ閉館するのか」――この疑問に対する答えは、宿泊業界を取り巻くコスト構造の劇的な悪化と、コロナ禍の負債処理にあります。ホテル倒産 2026年最新の動向を紐解くと、単純な客数不足ではなく、営業を続けるほど赤字が膨らむ「構造的疲弊」が浮き彫りになります。
第一の決定打は、コロナ禍で実施された実質無利子・無担保融資(いわゆるゼロゼロ融資)の元本返済ピークが続いている点です。売上が戻っても、過去の借入返済と急激な金利上昇圧力が重なり、キャッシュフローが限界に達する事業者が続出しています。
さらに、光熱費やリネン類のクリーニング費、食材仕入れ価格の高騰が宿泊施設を直撃しました。価格転嫁に成功した一部の高級外資系ホテルが最高益を叩き出す一方、価格競争に巻き込まれた中小規模の宿泊施設は利益を完全に削り取られています。公式発表資料や業界団体のヒアリング調査でも、「稼働率は70%を超えているのに営業利益が残らない」という悲痛な現場の証言が相次いでいます。