朝目覚めたときに突然生じる激痛、いわゆる「寝違え」を経験した人は多いはずです。SNSや知恵袋などの相談投稿を見ても、「早く治したいからと痛む首を強く揉んだら悪化した」「無理やり首をボキボキ鳴らしたら動かなくなった」という悲痛な体験談が後を絶ちません。
医学的に寝違えは、睡眠中の不自然な姿勢によって首周りの筋肉や腱膜、関節包に生じた急性炎症(捻挫に近い状態)です。ここで最も重要な寝違えの正しい治し方は、発症直後(24〜48時間)の「局所安静」と「アイシング」に尽きます。炎症を起こしている部位を無理にストレッチしたり、強い力で指圧することは傷口を広げる行為に等しく、かえって痛みを長期化させます。まずは冷湿布や氷嚢で患部の熱感を鎮め、頭を動かさずに済むよう固定することが最短の回復ルートです。
また、慢性的な首の付け根の痛みの背景には、自律神経の乱れと首こりの密接な悪循環が存在します。首周りには自律神経節(星状神経節など)が集中しており、長時間の精神的ストレスやPC作業に伴う眼精疲労が続くと、交感神経が優位に働き続けて血管が収縮します。血流不足が筋硬結を生み、その痛みがさらなるストレスとなって交感神経を刺激するという負のスパイラルを形成してしまうのです。実際に「頭痛やめまい、不眠を同時に抱えている」という患者の多くが、首の過緊張と自律神経の失調を併発しています。