生活知恵袋やSNSのコミュニティを調査すると、重曹洗浄に関する数万件の投稿のうち、約3割が何らかのトラブルや疑問を訴えています。現場で何が起きているのか、実際の体験談からリアルな傾向を分析しました。
「奮発して買った無水調理鍋を焦がしてしまい、ネットで見た通りに重曹を入れて擦ったら、黒ずみは取れたものの表面の光沢が消えてザラザラになってしまった」「重曹を入れて火にかけたら、あっという間に泡が吹きこぼれてコンロ周りが粉だらけになり大掃除する羽目になった」といった声は後を絶ちません。
調理器具のメンテナンス技術者は取材に対し、「焦げを落とそうとする焦りから、重曹の粉末をクレンザー代わりに研磨スポンジで強く擦りすぎる利用者が非常に多い」と指摘します。重曹のモース硬度は約2.5と比較的柔らかいものの、フッ素樹脂加工やホーローの釉薬(ゆうやく)面に対して強い筆圧で擦り付けると、目に見えない微細なスクラッチ傷を残します。その傷に微粒子が入り込み、かえって次の調理時に焦げ付きやすくなるという負のスパイラルに陥るケースが目立ちます。