アナベルを育てていると、開花が進むにつれて花色が劇的に変化していく様子に気付きます。5月下旬の咲き始めは爽やかなライムグリーン、6月の最盛期にはまばゆい純白へと輝き、7月を過ぎると再び水分が抜けて落ち着いた秋色グリーンへと戻っていきます。
この変化の理由は、花びらのように見える「装飾花(萼=がく)」に含まれる葉緑素(クロロフィル)の含有量の増減にあります。蕾から開き始めの時期は光合成を行うため葉緑素が多く緑色を帯びていますが、満開を迎えると葉緑素が一時的に分解されて純白に見えます。そして受粉期を過ぎて成熟すると、再び組織内に葉緑素が蓄積され、同時に水分が徐々に抜けていくことでシックな緑色へと移ろう仕組みです。
この性質は、アナベルを上質なドライフラワーに仕立てる際にも極めて重要です。
【失敗しないドライフラワー作りの決定打】
多くの人が「純白の満開時」に花を摘んでしまい、乾燥中に茶色く縮れて失敗します。ドライフラワーにする最適な収穫タイミングは、「真夏以降、花色が再び完全な緑色に変わり、手触りがカサカサと和紙のようになった状態」です。花房内部の水分が自然に抜けて細胞壁が硬化しているため、摘み取って風通しの良い日陰に逆さに吊るす(ハンギング法)だけで、花びらが縮むことなく綺麗な立体感を保ったままアンティーク調のドライフラワーが完成します。