こだま食堂が他府県のツーリング客や旅行者から「伝説の食堂」と称される最大の仕掛けが、店内に設置された無料バイキングコーナーです。定食や丼メニューを1品注文すると、追加料金なしでこのセルフサービスコーナーを自由に利用することができます。
驚くべきはその提供内容です。一般的な定食チェーンに見られる「ご飯・味噌汁のお代わり自由」にとどまらず、ここには自家製カレー、温かいだし汁でいただくうどんやそば、福神漬けや季節のお惣菜までがずらりと並びます。この驚異的なシステムが生み出す現場の光景は圧巻です。注文したわらじカツが揚がるまでの間にミニうどんやお惣菜をつまみ、届いた巨大カツの1枚を丼ご飯で堪能したあと、もう1枚のカツをご飯とお代わりコーナーのカレーの上に載せて「セルフ特大カツカレー」へと変化させるのが、常連客の間で定着した定番の裏技です。
行動経済学やフードサービス心理学の観点から見ても、この仕組みは極めて秀逸です。「注文した料理を待つ時間」という飲食店における最大のストレス要因を、バイキングを選ぶ楽しさへと反転させています。さらに「お腹いっぱい食べられた」という強烈な満足感(サンクコスト以上のリターン)が顧客の脳裏に焼き付くため、再訪意欲が極めて強固に醸成されるのです。