デジタル機器のデザインにおける人間工学や認知心理学の観点から見ると、アプリアイコンのビジュアル変更には明確な功罪が存在します。
本来、大手IT企業が巨額の開発費を投じて設計している公式アイコンは、人間が無意識のうちに視覚的特徴(アフォーダンス)を識別し、0.1秒単位で目的の機能へアクセスできるよう「色彩認知」が計算し尽くされています。すべてのアイコンを同じパステルカラーやモノトーンで統一した場合、脳は形状や文字情報を細かく走査しなければならず、「認知的負荷(ブレインロード)」が確実に増大します。「おしゃれにした結果、どこに何があるか分からずスマホを探す時間が増えた」という現象は、この心理的摩擦が原因です。
しかし逆説的に言えば、この認知的負荷は「スマホ依存症の克服」や「デジタルデトックス」に対して強力なブレーキとして機能します。目立つ赤や黄色の刺激的なアイコンを鎮静効果のある色へ変更することで、無意識にSNSを開いてしまう衝動的なアクセスを抑制できるという学術的な利点も報告されています。
以上の力学を踏まえ、編集部では以下の明確な判断基準を提唱します。
【カスタマイズをおすすめできる人】
・推しの写真や世界観でスマホを統一し、画面を開くたびに精神的充足感を得たい人
・SNSや動画アプリの無駄な起動を減らし、スクリーンタイムを抑制したい人
・スケジュール管理や連絡用の主要アプリが少数に絞られており、配置を身体で記憶している人
【慎重になるべき人(おすすめできない人)】
・業務連絡や緊急のメッセージをリアルタイムで確実に把握しなければならないビジネスパーソン
・一日に何十回も異なるツールを高速で行き来し、1秒のタップ遅延でもストレスを感じるヘビーユーザー
・フォルダ分けやアプリアイコンの元の色・形状で場所を記憶している直感操作タイプの人