葬祭業界の現場担当者への取材によると、2024年以降、直葬や一日葬の急増とともに「戒名はつけず、俗名のままで送りたい」と希望する遺族の割合は年々上昇しています。SNSや大手コミュニティサイトの相談フォーラムでも、費用負担への悲鳴がリアルに綴られています。
「父親が急逝した際、菩提寺の住職から当たり前のように『先祖代々居士なので80万円納めてください』と言われた。預金残高や今後の生活費を考えると到底払えず、住職に相談したら露骨に不機嫌な態度を取られた」(40代・会社員男性の手記より)
このように、戒名いらない理由のトップに挙がるのは「経済的困窮」と「無宗教意識の定着」です。生前に寺院と一切の関わりを持たず、お墓の管理料だけを払い続けてきた世代にとって、臨終の瞬間に突如として数十万円単位の金銭を要求される構造は、納得感を得難いものになっています。また、「故人の個性や本名こそがその人の生きた証であり、死後によく分からない漢字の羅列を与えられることに意味を見出せない」という遺族感情の変容も見逃せません。