近年の住まいにおいてダニの被害が拡大している背景には、住環境の構造変化が大きく関わっている。住環境衛生学の専門家は、高気密・高断熱住宅の普及と気候変動による室温・湿度の高止まりが、ダニにとって年間を通じた「理想郷」を作り出していると指摘する。かつて冬場には姿を消していたダニが、今では1年中活発に繁殖を続けているのだ。
特にエアコンの連続使用や加湿器のつけっぱなしは、室内の湿度を常に60%以上に保ち、ダニの繁殖速度を爆発的に跳ね上げる。さらに、フローリングの上に敷かれた厚手のラグや、洗いにくいマットレスは、餌となる有機物と湿気が溜まる格好の巣窟となる。生活の快適さを追求した結果が、皮肉にも害虫の大量発生を招く要因となっている。