単なる一時的な流行にとどまらず、辞書編纂者たちもこの現象を黙って見てはいない。辞書出版の老舗である三省堂が発表する「今年の新語」選考イベントでも、「ワンチャン」は若者の間で自発的に生まれた新しい語彙として高い評価を受け、現代国語辞典への収録が進められた。
言語学の観点から見ても、単なるネットスラングや流行語の枠組みを超え、日本語の語彙体系に定着した稀有な例と言える。確率論を曖昧にぼかし、対人コミュニケーションにおける衝突を避ける「緩衝材」としての役割を果たしている点が、現代日本人の心理に合致したのだろう。