紫外線を極限まで避ける生活を続けた結果、いま深刻視されているのが体内でのビタミンD合成不全です。東京慈恵会医科大学などの研究チームが発表した臨床調査でも、東京都内で健診を受けた成人の約98%がビタミンD不足または欠乏状態に該当しているという衝撃的な実態が明らかになりました。日光の紫外線(UVB)が皮膚に当たることで生成されるビタミンDは、腸管からのカルシウム吸収を助け、骨の代謝バランスを維持するために欠かせない必須ホルモン様の栄養素です。
このビタミンDが慢性的に枯渇すると、初期段階ではだるさや筋力の低下、免疫力の低下といった自覚しにくい不調として現れます。さらに進行したビタミンD欠乏症の症状と現在の対策を巡る議論では、若年女性であっても骨密度が急激に低下し、将来的な日焼け対策やりすぎ骨粗しょう症リスクへ直結することが指摘されています。20代・30代の時点で骨量が十分に蓄積されないまま閉経期を迎えると、わずかな衝撃で大腿骨や手首を骨折し、将来のQOL(生活の質)を大きく損なう事態を招きかねません。
骨だけにとどまらず、ビタミンDはメンタルの安定に関わる神経伝達物質セロトニンの分泌調整や、アレルギー疾患の抑制にも関与しています。「美肌のため」と信じて浴びる光をゼロにした結果、慢性的な疲労感や気分の落ち込み、風邪をひきやすい体質を自ら作り出してしまうケースが後を絶ちません。