ネット上やサポーターのコミュニティで「こんな順位表、見たことがない」「見ていて心拍数が上がらない最終予選は初めて」といった驚愕の声が相次ぐ最大の要因は、過去大会との劇的なコントラストにあります。
古くは1993年の「ドーハの悲劇」、1997年の「ジョホールバルの歓喜」を引き合いに出すまでもなく、近年のロシア大会(2018年)予選でのUAE戦黒星スタートや、カタール大会(2022年)予選でのオマーン戦・サウジアラビア戦の敗戦による「崖っぷち」報道は、今なおファンの記憶に鮮明です。最終予選といえば、試合ごとに胃を痛め、他会場の途中経過に一喜一憂するのが日本のサッカーファンの通例でした。
しかし今回の2026年予選では、強豪オーストラリアやサウジアラビアが勝ち点を取りこぼすなか、日本だけが異次元の安定感で勝ち点を重ねています。スポーツバーやSNS上では、「他国の順位争いが混戦すぎて、日本の首位独走が浮いている」「2位との勝ち点差が開きすぎて現実感がない」という戸惑い混じりの賞賛が飛び交っています。
記者会見の場でも、かつてのような悲壮感は皆無です。キャプテンの遠藤航は「アジアで圧倒して勝つことは大前提であり、自分たちが目指す基準は世界のトップにある」と冷静に語り、指揮官の森保監督も「目の前の1試合に集中しつつ、戦術のバリエーションを試す」と、最終予選を本大会に向けた強化の場として活用する余裕すら見せています。このメンタリティの質的変容こそが、ファンに強烈な驚きをもたらしている要因です。