春の人事シーズンになると、学校裏サイトや地域SNS、ネット掲示板上で教職員異動ネットの反応が過熱します。「校長と対立した教員が遠方に飛ばされた」「実績のある教頭がなぜか格下の学校へ異動した」といった書き込みが後を絶ちません。しかし、教育関係者への徹底取材によって見えてくる実情は、ネット上の噂とは大きく乖離しています。
兵庫県は「日本の縮図」とも称されるほど広大な県域を持ち、阪神間や神戸といった過密都市部から、播磨、丹波、但馬、淡路という中山間地域・島嶼部まで多様な環境を抱えています。兵庫県の教職員人事規則には「県域全体の教育水準を均等に保つ」という大原則があり、同一校での在任年数が6〜8年を超えた教員は原則として異動対象となります。さらに、都市部と郡部を相互に経験させる地域間ローテーションがルール化されているため、都市部から他地域への異動は懲罰ではなく、制度に則ったキャリア形成の一環に過ぎません。
また、教職員定年退職者名簿に名前が掲載されたベテランが、翌年度に再任用教諭として同じ学校や近隣校で非常勤講師として教鞭を執り続けるケースも多くあります。「退職したはずの先生がなぜまだ学校にいるのか」という保護者からの疑問も、定年退職後のシニア活用制度を知れば至極当然の人員配置であることが分かります。