平均視聴率19.8%を記録した第1シリーズ(2005年)、最高視聴率27.6%を叩き出した『花より男子2(リターンズ)』(2007年)、そして興行収入77.5億円を突破した劇場版『花より男子F(ファイナル)』(2008年)。この大成功の裏には、奇跡的なキャスティングの巡り合わせと、キャスト陣の並々ならぬ覚悟がありました。
当時、関係者の証言や雑誌の長期連載インタビューで語られたところによると、花沢類役の小栗旬のキャスティングは難航を極めていました。当時、蜷川幸雄氏の舞台などで演技派として頭角を現していた小栗は、少女漫画原作の王子様的キャラクターを演じることに強い抵抗感を示し、当初はオファーを固辞していました。しかし、姉や母親から「あんたに花沢類ができるわけがない」と背中を押されたことで挑戦を決意。結果として、静謐な佇まいと憂いを帯びた眼差しが原作ファンを熱狂させ、小栗旬を一躍スターダムへと押し上げました。
一方、道明寺司を演じた松本潤も、原作特有の傲慢さと純粋無垢な可愛らしさをどう実写に落とし込むか苦悩を重ねていました。撮影現場では、台詞の言い回しやトレードマークである天然パーマのシルエットに至るまで徹底的にこだわり、現場スタッフと何度も議論を重ねたといいます。
さらに2018年、次世代を描いた続編ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』第1話に松本潤が道明寺司としてサプライズ出演した際、瞬時にTwitter(現X)の世界トレンド1位を獲得し、サーバーをダウンさせる事態が発生しました。10年の歳月を経てもなお色褪せないカリスマ性は、キャスト陣が役に注ぎ込んだ情熱の深さを如実に物語っています。