ジョーカーの仮装において、衣装以上に全体の完成度を決定づけるのがメイクの質感です。ただ顔を白く塗るだけでは「お化け」や「能面」のようになってしまい、キャラクターが持つ生々しい狂気が失われてしまいます。ここでは現場のプロが実践するジョーカーメイクやり方の要点を解説します。
土台となるフェイスペイント白塗りには、舞台用の水性ドーランやクラウンホワイトを使用します。ヒース版を再現する場合、均一に美しく塗るのではなく、あえてスポンジで叩き込むようにムラを残し、目元や額にあらかじめシワを寄せてから塗ることで、経年劣化したような皮膚のひび割れ感を表現できます。仕上げにベビーパウダーを軽く叩いてテカリを抑えるのが崩れを防ぐポイントです。
目元の黒塗りは、ジェルアイライナーとダークブラウン・ブラックのアイシャドウを指でぼかしながら広げ、涙や汗で溶け出したようなグラデーションを作ります。そして最も重要な口元は、ヒース版ならリップラインを大幅にはみ出させて左右の頬へと引き裂くように赤を伸ばし、ホアキン版ならリップライナーで正確にアーチを描いたのち、少し掠れさせるのがリアルに見せる秘訣です。