「請求が遅れても、後から手続きすれば過去の分も全額一括で振り込まれるだろう」という認識は非常に危険です。年金を受け取る権利(支分権)には、法律によって「5年の消滅時効」が定められています。
例えば、65歳で受給権を得た年金を請求しないまま72歳になった場合、過去7年分のうち直近5年分は遡って受け取れますが、5年を超えた2年分の年金は時効により完全に消滅します。自己申告を怠ったことによる受給権の喪失について、救済措置は原則として適用されません。
毎年誕生月に送付される「ねんきん定期便の見方」を正しく理解していれば、未請求を防ぐことができます。50歳以上の定期便には、65歳時点での年金見込額が具体的に記載されています。年金の未納・免除期間の有無や、過去の転職時に生じた加入記録の抜け落ちがないかを事前に点検しておくことが、将来の損失を防ぐ防波堤となります。