なぜ今、トレンドの最先端を行く街で京都の伝統食なのか。そこには現代人が求める「食の原点回帰」がある。季節の食材を無駄なく使い切り、出汁の旨味を最大限に引き出すおばんざいは、健康志向が高まる都市生活者のニーズと見事に合致した。丁寧にとられた昆布と鰹節の出汁が染み込んだ大根や、旬の万願寺唐辛子とおじゃこの炒め煮。派手な演出こそないものの、一口含めば身体の奥底から安らぎが広がっていく。
渋谷の裏路地にある隠れ家店舗では、京都から毎日直送される京野菜を使用するこだわりようを見せる。伝統を守りつつも、都市生活者の洗練された舌に合わせた微調整が施されており、その絶妙な匙加減がグルメたちの口福を満たしているのだ。