インディーズ時代に発表された代表曲「いつか」は、リスナーの口コミによって静かに、しかし強烈に拡散した。YouTubeに公開されたミュージックビデオは再生数を伸ばし続け、失恋の痛みを抱える若者たちのアンセムとなる。過去の未練を飾り気のない言葉で歌う石原の声は、聴く者それぞれの記憶の傷口に優しく触れた。
そして2021年、Saucy Dogの名を全国区へと決定づけたのが「シンデレラボーイ」だ。石原が初めて女性目線で作詞したこの楽曲は、切ないリアリティと中毒性のあるメロディでSNSを席巻。YouTubeのMV再生数は億単位を記録し、邦楽ロックの枠組みを軽々と飛び越えて社会現象となった。嘘をつけない不器用な感情の吐露こそが、彼らの真骨頂だ。