ネット空間で飛び交う「ロースト(Roast)」とは、対象となる人物の欠点、過去の失敗、容姿、あるいは黒歴史を容赦なくネタにし、大勢の前で笑い飛ばすパフォーマンスやコミュニケーション手法を指す。近年では「毒舌コメディ」の代名詞として、海外セレブだけでなく一般人のSNS上のやり取りでも頻繁に使われるようになった。
「あなたを焦がす(ローストする)」という言葉の通り、熱気あふれるジョークでターゲットを“炙る”ような感覚から命名されている。しかし、どれほど鋭い刃のような言葉が飛び出そうとも、根底にあるのは主役に対する敬意だ。「愛があるからこそ弄る」という不可解にも見える文化の背景には、笑いを通じて人間味を引き出し、互いの絆を深めるという独自の力学が働いている。