山本一賢の現在|ポナンザ生んだ天才が完全自動運転へ挑む真相

山本一賢の現在|ポナンザ生んだ天才が完全自動運転へ挑む真相

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山本一賢氏の圧倒的な開発力を理解するには、その足跡を振り返る必要があります。1985年11月生まれ、愛知県出身の山本氏は、2026年現在の年齢で40歳を迎えています。地元屈指の進学校である愛知県立岡崎高校を経て、最高峰の知性が集う東京大学工学部電気電子工学科へ進学・卒業しました。

エリートコースを歩みながらも、本人の本質は徹底した「つくること」への偏愛にありました。大学在学中の2008年頃から個人的な探求として将棋プログラムの開発をスタート。これが後に世界を揺るがす「Ponanza(ポナンザ)」の原形となります。卒業後は大手ゲーム開発会社やIT企業に身を置きつつ、余暇のすべてをポナンザのアルゴリズム改良に注ぎ込みました。

その執念が歴史を変えたのが、2013年から始まった「将棋電王戦」です。第2回将棋電王戦において、ポナンザは佐藤慎一四段(当時)に勝利。公の対局場で現役のプロ棋士を破った史上初の将棋ソフトウェアとして、その名を日本中に轟かせました。さらに2017年の第2期電王戦二番勝負では、最高峰のタイトル保持者であった佐藤天彦名人を相手に圧巻の2連勝を飾り、人間対コンピュータの戦いに事実上の終止符を打ちました。

電王戦の激闘の裏で、山本氏はAIスタートアップであるHEROZ(ヒーローズ)株式会社に所属し、リードエンジニアとして「HEROZ Kishin」などの産業用AIエンジンの開発を牽引。同社の東証マザーズ(現グロース)および東証一部(現プライム)への上場に大きく貢献しました。組織の一員として成功を収めながらも、「既存の枠組みでは解けない、より巨大な課題を解きたい」という情熱が、2021年のチューリング創業へと繋がっていきます。

中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。