ネットの言説で最も誤解されているのが、「除隊後の権利」に関する幻想です。
誤解1:5年務めれば無条件でフランス国籍がもらえる?
「5年間の契約を満了すれば誰でもフランス国民になれる」という言説は半分正しく、半分誤りです。国籍付与の申請権(Français par le sang versé/流された血によるフランス人、または善行による帰化)は得られますが、審査には「良好な勤務評価」「十分なフランス語能力」「納税などの市民適性」が厳しく求められます。勤務態度に問題があったり、脱走未遂歴があったりする場合は拒絶されるケースも珍しくありません。
誤解2:脱走しても日本に逃げ帰れば安全?
契約期間中の無断離隊(脱走)は、フランス軍法会議における軍法違反です。パスポートを部隊に預託されている状態から逃走することは極めて困難であり、成功したとしてもシェンゲン協定域内での移動は常に指名手配のリスクが付きまといます。日本へ強制送還された場合でも、二度とEU加盟国へ入国できなくなるペナルティが課されるなど、将来的な代償は極めて重いものとなります。
誤解3:除隊後は民間軍事会社(PMC)で年収数千万円?
なんJ等で「外人部隊を除隊したらPMCに高待遇で引き抜かれる」といった言説が散見されますが、これは映画やゲームの影響による過度な美化です。近代の警備会社やセキュリティコンサルタントが求めるのは、高度な英語力や専門資格、電子戦・無人機の運用スキルです。フランス語の歩兵スキルのみを持つ一般除隊者の多くは、フランス国内や母国での警備員、運送業、あるいは飲食業といった地道な民間職に就くのが大半の現実です。