当時の利用者の回顧録や地元コミュニティの証言を紐解くと、天神ヤングメイトを語る上で欠かせないのが地下や上層階に位置したゲームセンターと個性豊かなショップの存在です。
「学校帰りに制服のままヤングメイトのゲーセンに直行し、インベーダーやパックマン、対戦格闘ゲームの筐体に小遣いをつぎ込んだ」「輸入雑貨店でアメリカ直輸入のステッカーや缶バッジを買い、喫茶店で仲間と何時間も語り合った」といった手記や回想談が今なお数多く残されています。当時の中高生にとって、天神ヤングメイトは単なる買い物の場ではなく、家庭でも学校でもない第3の居場所――いわゆる「サードプレイス」そのものでした。
特に週末になると、福岡市内のみならず北九州や筑豊、佐賀など九州各地から国鉄(現JR)や西鉄電車に乗って若者が押し寄せ、独自のストリートファッションやサブカルチャーの情報交換が行われていた現場の熱量は、現代のSNS空間では再現できない生々しいエネルギーに満ちていました。