狂気に満ちた桂田家に対比して、物語に爽やかな風と切ない情熱を吹き込んだのが、唐沢寿明演じる美和の元恋人・大岩洋介だ。
洋介は美和への想いを残しながらも、運命のいたずらによって別の女性と結婚することになる。しかし美和が抱える苦悩と冬彦の異常性を知るにつれ、彼は彼女を救い出すべく立ち上がる。唐沢寿明が見せたまっすぐな熱量と正義感は、狂気の渦に巻き込まれる視聴者にとって唯一の救いであり、心の拠り所となった。冬彦の底知れぬ狂気と洋介の誠実な愛。この鮮烈なコントラスト構造こそが、ドラマの緊張感を最終回まで維持し続けた原動力にほかならない。