日本のアニメ史を語る上で欠かせない二大巨頭の存在。職人技が集約されたスタジオジブリの繊細な色彩感覚と、東映アニメーションが誇るダイナミックなアクション構成のノウハウ。両者の文脈を深く咀嚼し、自らの美学として昇華させた映像演出こそが最大の武器だ。
一フレームごとに込められた情報の密度が圧倒的だ。背景の美術設定には膨大なフィールドワークの成果が反映され、風の吹き抜ける音や静寂の気配までもがグラフィックとして可視化されている。作画監督や背景スタッフとの愚直なまでの議論を繰り返し、光の当たり方一つでキャラクターの心理描写を成立させる手腕は、目の肥えた映画ファンをも唸らせる完成度を誇る。