半世紀にわたり、この曲は無数のトップアーティストによって歌い継がれてきました。愛はきらめきの中にカバー有名歌手の筆頭として挙げられるのが、1996年にイギリスのボーイズグループ、テイク・ザット(Take That)が放ったカバーです。ロビー・ウィリアムス脱退直後の解散直前にリリースされたこのバージョンは全英シングルチャート1位を獲得し、当時リアルタイムでビージーズを知らなかった90年代の若者世代へ名曲のDNAを完璧にリレーしました。
さらに近年では、グラミー賞常連のシンガーソングライターであるPJモートンがカバーし、2019年の第61回グラミー賞最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス賞を受賞。現代の洗練されたネオ・ソウルとしても完璧に機能することを証明しました。マイケル・ブーブレによる壮麗なボーカルアプローチや、ジャズギタリストによるインストゥルメンタルカバーなど、ジャンルの壁を軽々と超え続けています。
なぜこれほど多くのミュージシャンが惹きつけられるのか。その理由は、一聴するとシンプルでありながら、極めて計算し尽くされたコードプログレッションにあります。愛はきらめきの中にギターコード譜を紐解くと、ポピュラー音楽における最高峰のハーモニー構造が見て取れます。
原曲のキーはE♭(変ホ長調)ですが、アコースティックギターで演奏する際はカポタストを1フレットに装着し、キーDのフォームで弾くスタイルが広く親しまれています。特筆すべきは、AメロからBメロへの展開において使用されるテンションコードと分数コードの妙です。
単なる主和音(DやG)の繰り返しではなく、ベース音を滑らかに半音・全音刻みで下降・上昇させるクリシェ進行や、メジャー7th(Dmaj7, Gmaj7)、マイナー7th(F#m7, Em7)の巧みな配置が、バリー・ギブの囁くようなファルセットと重なることで、聴く者の胸に切ない浮遊感をもたらします。音楽理論的に「緊張(テンション)」と「緩和(リラクセーション)」がミリ単位でコントロールされており、弾き語りをするプレイヤーにとっても「一度弾き始めると指先から離れなくなる麻薬的な魅力」を備えているのです。