ロビーの扉をくぐった瞬間に目を奪われるのは、中央に鎮座する印象的な銅製の暖炉だ。かつて幕末から明治にかけて開港地として栄えた函館の歴史を感じさせるその佇まいは、まるでタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。異国情緒漂うアールデコ調の装飾と、温もりある木の質感が絶妙なバランスで調和しており、旅の期待感を一気に高めてくれる。
ラウンジスペースでは、大きな窓から差し込む柔らかな光とともに、こだわりのウェルカムドリンクを楽しめる。日常の喧騒から離れ、心地よいジャズのBGMに耳を澄ませる時間は格別だ。静けさと華やかさが共存するこのエントランスホールこそ、ホテル万惣のアイデンティティを雄弁に物語っている。