長年「一休和尚の言葉」として流布してきたこのフレーズですが、国文学者や禅宗寺院の調査によって、一休宗純(1394〜1481)の著作・詩集である『狂雲集』や語録には該当する漢詩・和歌が一切収められていないことが判明しています。
では、この道を行けば 誰の言葉なのか。近代文学・宗教思想史の研究者たちの間では、真宗大谷派の改革者として知られる哲学者・清沢満之(1863〜1903)が著した論考や、その高弟たちが広めた『我が信念』に登場する求道的な言葉が原型であるという見解が有力視されています。
歴史的な原典調査によれば、清沢満之が説いた「自己の信じる道を疑わず、ただ一歩を進める」という求道精神が、昭和中期から後期にかけて書家や仏教系出版物のカレンダー、扁額などを通じて口語詩へとリライトされ、それが巡り巡って猪木氏の手元に届いたというのが、現在最も整合性の取れた歴史的経緯とされています。