2022年9月19日にロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われたエリザベス女王の国葬には、世界中から約500人の国家元首や王族が参列しました。日本の天皇皇后両陛下をはじめ、アメリカのバイデン大統領、フランスのマクロン大統領など各国の首脳が一堂に会し、20世紀を象徴する偉大な君主の旅立ちを見守りました。沿道には数百万人もの市民が詰めかけ、テレビ中継は全世界で数十億人が視聴したと推計されています。
国葬の儀礼とともに注目を集めたのが、女王が遺した膨大な資産の相続です。王室の資産は、君主として保有する公的財産(クラウン・エステートなど)と、私的な個人財産に分かれています。バルモラル城やサンドリンガム・ハウスといった私有地、美術品、競馬馬、宝飾品など、プライベートな個人遺産だけでも総額約5億ドル(約750億円規模)に達すると見積もられています。
イギリスでは通常40%の相続税が課されますが、1993年に当時のジョン・メージャー首相と女王の間で交わされた合意に基づき、「君主から次の君主への直接相続」については相続税が免除される特例が適用されました。これにより、王室財産の散逸を防ぎ、チャールズ国王へ円滑に資産が引き継がれる仕組みが維持されています。