「黒目の周りが青い 原因」を追究する上で、当事者の年齢確認は欠かせない。乳幼児と成人では、同じように見える青白さであっても、組織の性質が全く異なるからだ。子育て世代の親から「生後数ヶ月の赤ちゃんの白目が青っぽくて心配」という相談が小児科や眼科に多く寄せられるが、その大半は乳幼児特有の解剖学的特徴に起因している。
赤ちゃんの眼球は成人と比較してコラーゲン組織が非常に薄く、水分含有率が高いため、内部のブドウ膜組織が透けて青みがかって見えやすい。これは健康な発育過程における自然なサインであり、頭蓋骨や眼球の成長に伴ってコラーゲン組織が厚みを増す3歳前後には、自然と濁りのない健康的な白さに落ち着いていく。ただし、極めて稀ながら、わずかな衝撃で全身の骨折を繰り返す国の指定難病「骨形成不全症(OI)」の主症状として、コラーゲン形成異常に伴う顕著な青色強膜が現れる事例もあるため、骨の脆弱さや歯の形成不全が伴うかどうかの観察は怠ってはならない。
一方、20代以降の大人の瞳に現れる青白い輪は、生理的な発育現象とは別物と考えなければならない。加齢変化や代謝異常によって生じる角膜環は、角膜の上下方向の縁から三日月状に現れ始め、年月の経過とともに繋がって完全な円環を形作る。大人の場合、眼球そのものの薄さよりも「血中脂質の浸透」という内因性の代謝プロセスが反映されている可能性を疑う必要がある。